過払い金について

今さら聞けない「過払い金」とは?

「過払い金」とは、文字通り「払い過ぎたお金」ということです。もう少し詳しく言うならば、お金を借りてその返済をする際に、「本来ならば払わなくても済んだかもしれない利息分を払い過ぎてしまった」、この払い過ぎてしまった金額を過払い金と言います。

ではなぜ、そんな「払い過ぎ」が生じてしまったのでしょう。それには二つの法律が関係しています。

1.利息制限法・出資法…二つの法律の存在

過払い金=利息の払い過ぎが生じた背景として、「利息制限法」「出資法」という二つの法律の存在がありました。いずれの法律もお金を貸すときの上限金利を定めているのですが、2010年の法改正で統一されるまで、二つの法律が定める上限金利には差があったのです。この金利の差によって生じた支払い利息の差が、まさに「払い過ぎたお金=過払い金」です。

利息制限法

お金を貸借するときの最高利率を規定した利息制限法の原点は1877年、明治10年にまで遡ります。この旧法は、債務者(お金を借りる人)の保護をより明確にする方向で、1954年に改正されました。そしてこの新法が施行された1954年(昭和29年)6月15日以降、定められた上限金利は現在に至るまで変更されていません。

利息制限法の上限金利
元本金額(借りた金額) 上限となる年利
100,000円未満 20%
100,000円以上 1,000,000円未満 18%
1,000,000円以上 15%
出資法

出資法は利息制限法改正と同じ年に制定され、1954年(昭和29年)6月23日に施行されました。この出資法によって最初に定められた貸付上限金利は、なんと年利109.5%。現在の感覚では驚くような高利です。その後、上限金利の改正が5回行われ、2010年(平成22年)6月18日、ようやく利息制限法と同じ20%になりました。

出資法が定める上限金利の変遷

109.5% (1954年6月23日から)
→ 73.0% (1986年10月31日まで)
→ 54.75% (1991年10月31日まで)
→ 40.004% (2000年5月31日まで)
→ 29.2% (2000年6月1日から2010年6月17日まで)
→ 20.0% (2010年6月18日から)

これを見ても分かる通り、例えば2000年6月1日から2010年6月17日までの期間、貸金業者は上限年利29.2%の金利を適用することができました。

2000/06/01~2010/06/17 上限金利の比較
元本金額(借りた金額) 上限金利
利息制限法 100,000円未満 20%
100,000円以上
1,000,000円未満
18%
1,000,000円以上 15%
出資法 元本金額(借りた金額)に関係なく
一律
29.2%

つまりこの期間、利息制限法では最高20%までと上限を定めているにもかかわらず、出資法で定められた上限金利を適用した貸金業者からお金を借りた人は、より多くの金利を払わされたことになります。

例えば
年利25%の貸金業者から、99,999円(10万未満)を借りた人は…
25-20=5…年利5%分に相当する金利を払い過ぎたことになりますし、
年利25%の貸金業者から、1,000,000円を借りた人は…
25-15=10…年利10%分に相当する金利を払い過ぎたことになります。

これが二つの法律の金利差によって生じた「過払い金」ということになるのです。

2.グレーゾーン金利

過払い金請求に関する情報がテレビなどで盛んに取り上げられていた頃、よく耳にしたのが「グレーゾーン金利」という言葉です。

利息制限法の上限金利は超えているものの、出資法の上限金利は超えていない。利息制限法には違反しているものの、出資法には違反していない。この二つの法律の金利差部分を指して ― 真っ白ではないけれど、真っ黒でもない ― グレーゾーン金利と呼んだのです。

つまり

利息制限法の上限金利 < グレーゾーン金利 ≧ 出資法の上限金利

利息制限法と出資法の上限金利が20%で統一された2010年(平成22年)6月18日より前、出資法が制定された1954年から2010年6月17日までの長きにわたり、グレーゾーン金利帯は常に存在し続けてきました。にもかかわらず、このグレーゾーン金利の問題に対し社会全体として取り組もうとはしてきませんでした。

2000/06/01~2010/06/17 のグレーゾーン金利帯


特に、利息制限法は債務者(お金を借りた人)を保護することを目的とした法律であったはずなのですが、この法の中には「超過部分を利息として任意に支払った場合には、その返還を請求することができない」という規定がありました。言い換えれば、「自分の意志で払ったのだから納得して払ったということでしょう。返還請求はできませんよ」ということになります。この規定もまた、過払い金請求を妨げていた大きな壁の一つでした。

ところが2006年の利息制限法改正に伴ってこの規定が削除され、壁の一つが取り払われることとなりました。さらに、それまで出資法の上限利息を採用することに問題なしとされてきた消費者金融に対して、同2006年、「消費者金融の契約方法では出資法の金利を適用することはできない」という判断が最高裁により下されました。そのタイミングをもってして、世の中は一気にグレーゾーン金利の問題に切り込み、過払い金請求へと動き出したのです。

3.過払い金請求…まずは行動を!

このように利息制限法の上限金利を超えたグレーゾーン金利を払ってきた人は、「本来ならば払わなくても済んだかもしれない利息分を払い過ぎてしまった」人であり、「過払い金請求権」を有する人です。ただし請求する権利を有していても、それを行使しなければ何も起きません。

そこで
「自分は借金返済に際して過払い金が生じていたのか?」
「自分には過払い金請求権があるのか?」
「過払い金の請求にはどのような手続きが必要か?」など
しっかり調べて行動することが大切です。まずはアクションを起こして、払い過ぎたお金をしっかり取り戻しましょう!

豆知識:出資法の正式名称
正式な名称は、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」と言います。あまりにも長すぎるので、世間一般では「出資法」と呼んでいます。
豆知識:出資法の上限金利
出資法の109.5%という上限金利設定、実は現在でも有効なのです。金融業者、貸金業者が営業目的でお金を貸し付けるときには認められませんが、個人間でお金を貸すときには、今でもこの109.5%という高利を適用させることが可能です。個々人間で資金融資をする場合には十分ご注意を!
豆知識:ヤミ金融
出資法の上限金利を超える金利で貸し付けを行った場合は刑事罰の対象となるのですが、それを逃れて営業している貸金業者のことを、一般に「ヤミ金融」「ヤミ金」などと呼んでいます。
豆知識:2006年てどんな年?
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